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大阪湾ベイエリア開発整備を推進するため、国の平成19年度予算編成にむけて、
以下の項目について提言を行いました。 |
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1. 関西国際空港・阪神港の整備促進 |
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関西国際空港は24時間運用が可能な国際拠点空港であり、グローバルな地域間競争の時代の中、これにふさわしい機能と役割が担えるよう着実に整備することは、関西地域はもとより、我が国の将来の発展をも左右する重要課題であり、現在、二期事業が進められている。
一方、アジア諸国の港湾機能の向上により、コンテナ取扱量などにおいて我が国の港湾の国際競争力が相対的に低下してきており、我が国にとって、経済成長の面からも、主要港湾の国際競争力の強化が喫緊の課題となっている。スーパー中枢港湾としての阪神港においては、管理効率向上の観点から次世代高規格コンテナターミナルの整備等の施策が展開されるとともに、一元管理をおこなう大阪湾ポートオーソリティの設立などを視野に入れた早急な機能強化が求められている。
これらの国際物流・交流拠点の早急な整備促進を図るため、以下について実現すること。
<提言事項>
(1) 関西国際空港の全体構想の早期実現に向けて、二期事業(平行滑走路の平成19年供用開始)の着実な推進に努めるとともに、国際拠点空港にふさわしい役割と機能が発揮できるよう、国内外の各都市航空ネットワークの充実や乗り継ぎの利便性向上を図るなど、国際競争力の向上に努めること。
(2) 大阪湾における港湾の国際競争力を強化し、関西経済の活性化・雇用の創出に貢献するよう、「スーパー中枢港湾」に指定された阪神港について、次の支援を実施すること。
①港湾の国際競争力の強化に資するための、次世代高規格コンテナターミナルをはじめとする港湾施設の整備促進
②湾内各港への入港毎にとん税及び特別とん税が徴収される状況を解消し、大阪湾諸港の一開港化の実現 |
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2. 関西大環状道路など広域基幹インフラの整備促進 |
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関西の都市再生を図り、多核ネットワーク型都市圏を形成する世界都市「関西」を実現する観点から、以下のとおり広域基幹インフラの整備を一層促進すること。
<提言事項>
(1) 関西における陸海空を結ぶ交通・物流インフラで重要な役目を担う基幹道路を整備し、ネットワーク機能を完成させること。
①関西大環状道路を早期に実現するため、第二名神高速道路を着工するとともに、現在整備が進められている京奈和自動車道については、早期完成を目指すこと。
② 関西国際空港や阪神港と密接に関連し、都市再生プロジェクトとして位置付けられている大阪都市再生環状道路(淀川左岸線及び大和川線)について、早急に全区間が完成されるとともに、地方負担の軽減のため大幅な国費を投入すること。
③大阪湾環状道路の早期実現に向け、大阪湾岸道路西伸部の早期事業化を図るとともに、名神高速道路と大阪湾岸道路を結ぶ名神湾岸連絡線の早期事業化を図ること。
④関西大環状道路と大阪湾環状道路の要となる紀淡連絡道路について、所要の調査を行い早期具体化を図ること。
⑤関西圏の広域幹線道路ネットワークを強化する第二京阪道路については、早期の完成を目指し整備すること。
(2)都市再生プロジェクトとして位置付けられている、京阪神圏におけるゴミゼロ型都市への再構築に向けて、財政措置等の支援により、廃棄物処理・リサイクル施設の整備等を促進すること。また、大阪湾における広域処理場整備事業(フェニックス事業)の円滑な推進を図るため、廃棄物埋立護岸建設費や広域最終処分場建設費等に係る支援の拡大、埋立完了後の土地利用に係る支援策
充実、並びにフェニックス計画の推進に係る事業費を確保すること。
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3 臨海部における都市再生など地域整備の促進 |
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近年、大阪湾臨海部の各地域においては、国の都市再生及び構造改革特区制度を積極的に活用するとともに、民間活力を最大限に引き出すことにより、地域の活性化を図る開発整備が進められてきた。
これらの開発整備は、着実に推進しているものの、現在の社会情勢を考えると、早期に完成させることにより、その効果を生じさせることが求められている。
そこで、各地域の開発整備を一層促進させ、地域の活性化に資する必要から、以下のことに
ついて実施すること。
<提言事項>
大阪湾臨海部の各地域における開発整備を促進するため、次の事項について所要の措置を講じこと。
(1) 堺北臨海部地区において整備が進められている、堺 2 区の親水緑地の整備やエコポートモデル事業、第 7-3 区の「共生の森」の整備について、所要の財源措置を講じること。
(2) 尼崎臨海地域の都市再生をめざした「尼崎 21 世紀の森」を推進するため、港湾緑地の整備などへの都市再生プロジェクト事業推進費等の重点的な投入や、臨海部の工場等民有地における緑豊かな空間の創出のための新たな制度の創設や弾力的な運用の措置を講じること。
(3) 神戸市の都心ウォーターフロントにおいて、ウォーターフロントに近づきやすく、回遊でき、港の風景を満喫できる親水空間を構築し、ウォーターフロントを活性化するため、特段の措置を講じること。 |
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4. 臨海部における土地流動化の促進 |
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大阪湾臨海部における過去の開発整備を見ると、高度経済成長により産業が拡大するに伴い、広大な公有水面を埋め立て、港湾用地や工場用地を確保し、そこに、社会需要を満たす新たな施設を整備する方策がとられてきた。
従来、港湾地区を形成していた地域の機能低下や産業構造の転換の遅れなどにより、一部の地域において、土地の低・未利用が生じていることが、土地利用調査により明確になってきている。臨海部におけるこれらの土地は、都市再生の視点から、工場用地の宅地や商業地などへの転換という、新たな土地利用の多様なニーズも生まれてきている。
この様な土地利用の転換を図る場合、道路インフラの整備や土地そのものに起因する課題などが発生している。
他地域と比べ土地利用の転換が難しいという特性を考えると、これらの課題を取り除く施策を迅速に展開し、土地流動化を促す環境を整備することが求められている。
このような状況に鑑み、以下のとおり実施すること。
<提言事項>
新たな土地利用の多様なニーズに迅速に対応し、臨海部における土地流動化を促すため、次のような事項について施策の拡充を図るとともに、新たな制度の創設を検討すること。
(1) 臨海部における道路整備への支援
①地域内道路の整備や、トラックなどの物流交通に対する歩行者の安全や快適性を確保、向上させるための施設整備
②埋立地の開発に必要な幹線道路の整備
(2) 土壌汚染対策への支援
①汚染対策費を軽減するための長期無利子融資制度の創設
②汚染原因者不明の場合の支援制度の拡充
(3) 特定地域堤防機能高度化事業(補助スーパー堤防整備事業)の補助の充実
(臨海部入口の低・未利用地を活用し沿川のまちづくりを整備推進するためには、補助スーパー堤防整備事業と一体的に行う必要がある。) |
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5. 防災対策の強化 |
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阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、災害による人的・物的被害を防止し都市機能を維持するため、総合的な防災体制の整備を促進する必要があることから、以下のとおり実施すること。
<提言事項>
(1)首都圏における緊急事態対応のため、国土計画、防災・有事に関する法律や計画等で、関西を首都機能の代替エリアと明確に位置づけること。
(2)都市再生プロジェクトとして検討が進められている、京阪神都市圏における基幹的広域防災拠点・広域防災拠点の整備を図ること。
(3)近い将来の発生が懸念されている東南海・南海地震の対策強化を図ること。
① 東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づく「東南海・南海地震防災対策推進地域」における財政上の特例措置
② 広域的な災害対応体制の整備
③ 東南海・南海地震に係る予知体制の確立
④長周期地震動の構造物に及ぼす影響及びその対策に関する調査研究の推進
(4)社会の成熟化や高齢化の進展の中で、災害時における被害状況を的確に把握し、適切かつ弾力的な対策が取れるように、災害救助法の見直しと措置内容の充実を図ること。
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6. 税制及び政策金融制度の拡充 |
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大阪湾臨海地域を、世界都市にふさわしい機能と良好な居住環境等を備えた地域として整備促進していくためには、大阪湾臨海地域開発整備法(以下、「ベイ法」という)に基づく整備計画上の中核的施設の整備が不可欠である。
現在、 42 の中核的施設のうち 28 施設が完成または一部完成し、今後、残された中核的施設の整備を進める上で、事業者へのインセンティブとなる税制等の支援措置は是非とも必要である。
ついては、以下のとおり検討すること。
<提言事項>
(1) ベイ法に基づく中核的施設の整備に係る以下の項目について検討すること。
①民間による中核的施設の整備に対して、従来からの中核的施設の整備に適用される特例措置と同等の税制上の支援措置が適用されるようにすること。
②ベイ法に基づく基本方針で定められている中核的施設の種類を、都市機能を整備する上で不可欠な複合型商業施設等に拡大すること。
③中核的施設の除外要件及び施設規模要件を緩和すること。
④地方税(不動産取得税、固定資産税)の不均一課税の減収補填措置に係る地方公共団体の財政力指数要件を緩和すること。
(2) 中小企業金融公庫の融資制度における融資対象中小企業適用を大阪湾臨海地域全域へ拡大すること。 |
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7. 関連整備地域への支援制度の拡充 |
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関連整備地域の活性化を図り大阪湾臨海地域はもとより関西全体の発展に寄与するためには、大阪湾臨海地域と同等のインセンティブを付与することが必要である。
以下のとおり支援制度を検討すること。
<提言事項>
大阪湾臨海地域との有機的かつ効率的な連携に十分配慮しつつ、関連整備地域において開発整備を促進するため、整備計画に定められた一定の施設について、公共投資の重点配分をはじめ、税制及び政策金融上の支援制度を検討すること。 |
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8. 大阪湾再生の推進 |
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国の都市再生本部では、「大都市圏における都市環境インフラの再生/海の再生」を都市再生プロジェクトとして位置付けている。
これを推進するため、関西圏においても、広域連携による「大阪湾再生推進会議」を設立し、森・川・海のネットワークを通じて、美しく親しみやすい豊かな「魚庭(なにわ)の海」を回復し、京阪神都市圏として市民が誇りうる「大阪湾」を創出することを目標とした「大阪湾再生行動計画」を、平成 16 年 3 月に 10 年間の計画として策定し、この 2年間実施しているところである。
このような動向を踏まえ、以下のとおり実施すること。
<提言事項>
「大阪湾再生行動計画」の目標達成のために実施する事業について、所要の予算を確保すること。
①防波堤の再配置等による海水交換の促進
②緩傾斜護岸、人工干潟、人工海浜の増設
③親水性の高い公園緑地の整備
④ごみの削減対策の実施 |
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9. 「なぎさ海道」におけるパブリックアクセス整備の充実 |
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快適な都市環境づくり等の観点から平成3年に策定された「大阪湾ベイエリア開発整備のグランドデザイン」のシンボルプロジェクトとして提唱された「なぎさ海道」については、当財団において平成9年に「なぎさ海道推進マスタープラン」を策定し、行政と市民参加のもと推進してきたところである。
また、平成 12 年に策定された近畿圏基本整備計画(第5次)でその推進が明示されており、「 21 世紀の国土のグランドデザイン」においては、パブリックアクセスの確保を図ることとされている。しかしながら、海辺の遊歩道や海辺に至る道路の整備に多大な経費を要することから進んでいない
のが現状である。
このような動向を踏まえ、以下のとおり実施すること。
<提言事項>
人々が海辺へ至るための道路等の手段と、その海辺で憩い遊ぶことができるような海辺環境を包括した概念であるパブリックアクセスを早急に整備するため、密接に係りを有しているなぎさトレイルやなぎさ拠点及びそこに至る道路が一体的に整備されるよう、補助制度をはじめとする支援の充実を図ること。 |
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(用語の説明)
・「なぎさ海道」…市民生活と大阪湾ベイエリアにおける都市と海との関係を回復し、人々の憩いの場、ふれあいの場としての機能を復活させ、ベイエリア固有の文化的営みの再生を図るための基礎づくり等を推進するもの
・パブリックアクセス…人々が海辺へ至るための道路等の手段と、その海辺で憩い遊ぶことができるような海辺環境を包括した概念
・なぎさトレイル整備…海辺の水際を楽しみながら歩いてたどる道の整備
・ なぎさ拠点整備…人々の休息と交流、賑わい、情報提供の場とするための、海辺の魅力のある拠点整備 |
「なぎさ海道」の対象エリア |
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10. 関西の特性を活かした産業の振興 |
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関西における産業は、我が国経済の重要な役割を担ってきたが、近年の経済のグローバル化などの影響を顕著に受け、新たに活性化することが求められている。
そのために産業競争力を強化し産業振興することは、民間や地方公共団体が連携し、地域において推進することは勿論であるが、今後、一層、経済のグローバル化が進むと予想される中においては、外国との競争などの視点からすると、我が国の政策が大きな役割を担うことは明白である。
このような動向を踏まえ、以下のとおり実施すること。
<提言事項>
関西における高速道路や空港、港湾などの社会資本や高度な技術などの集積の特性を活かして、産業競争力の強化を図るため、以下の項目について実施すること。
(1) ものづくりの知的産業化をはじめとする民間ニーズを反映する戦略的な政策を推進すること。
(2) 研究開発などの知的クラスター創成事業を平成19年度以降も継続するとともに、十分な事業費を確保すること。
(3) 都市再生プロジェクトである、「大阪圏におけるライフサイエンスの国際拠点形成」、「大阪圏における生活支援ロボット産業拠点の形成」に対する事業について、所要の事業費を確保すること。
(4) 産業クラスターの形成のために新事業創出に係る支援ネットワークの構築などに対する支援を充実すること。
(5)循環型社会の構築のため、臨海部のエコタウンなどに立地する環境関連産業を支援すること。 |
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