一般財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構
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広報誌『O-BAY』
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特集 大阪市臨海部 咲洲・夢洲地区のまちづくりについて
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1.背景
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 咲洲(南港地区)・舞洲(北港北地区)・夢洲(北港南地区)のまちづくりについては、昭和60年「テクノポート大阪」計画の基本構想が発表された。これは、関西国際空港を始めとする各種プロジェクトの連なる湾岸軸と、中之島、大阪ビジネスパークから関西学術研究都市に至る東西の都市軸が交わるこの地域の埋立地(約775ha)に、高次都市機能を集積した新都心を形成しようとしたものである。この新都心構想は、オリンピック誘致が不調に終わった後の平成14年に一部見直しを行っている。
  しかしながら、「テクノポート大阪」計画の策定後20年以上が経過し、この間における国内外の社会経済状況の変化、臨海部に求められる機能や役割も大きく変わってきている状況にある。新都心構想であるこの計画を見直し、臨海部の開発状況や、もはや右肩上がりの経済情勢を見込めないこと、少子化などの社会動向を踏まえ、今後の臨海部のまちづくりの方向性やコスモスクエア地区などの活性化方策を検討したものである。
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2.咲洲・夢洲の開発状況と課題
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(1)咲洲コスモスクエア地区(面積:約150ha)
  咲洲地区の約140haについては、平成7年5月、大阪湾臨海地域開発整備法における開発地区と定めている。
  当初はテクノポート大阪計画の先導的役割を担う地区として業務中心の高次都市機能の集積を目指したが、バブル崩壊などから地区の開発が停滞した。平成14年に都市再生緊急整備地域に指定され、それ以降、住機能の導入、複合用途のまちづくり、立地促進助成制度の創設、OTS線の値下げ、定期借地の導入などが実施された。現時点の土地利用率は全体の約75%、従業人口約14,000人である。今後の課題としては①未利用地の土地利用促進②既存施設の活性化(ATC、WTCなど集客施設の集客減、インテックス大阪の施設の一部老朽化、機能の充実など)③拡大する国際フェリーによるアジアとの交易、交流への対応④大型車両と一般車両の混在への対応などが抽出された。
(2)夢洲地区(面積:391ha、先行開発面積:約140ha)
  この地区は、舞洲地区に続く処分場として昭和52年より整備され、昭和60年から廃棄物などの受け入れを行っている。平成16年に神戸港と連携した「阪神港」としてスーパー中枢港湾の指定を受け、インフラ施設の整備が進んでいる。
■夢洲コンテナターミナル
  高規格コンテナターミナルC-12を整備しており、既に供用しているC-10,11と、外貿コンテナ埠頭に計画変更したYCとともに、完成すれば、水深−15~16m、岸壁総延長1,350m、ターミナル面積65ha(奥行き500m)の施設となる。後背地も含め約140haが先行開発地区として基盤整備を進めている。
■夢咲トンネル
  平成12年度より、近畿地方整備局と大阪市は咲洲と夢洲とを海底で結ぶトンネルの建設を進めてきた。咲洲トンネルと同様、道路(4車線)、全長約2,100m、海底部の約800mは「沈埋トンネル工法」を採用している。8月に開通予定である。
  このトンネルは、スーパー中枢港湾の中核となる夢洲コンテナターミナルのアクセス道路として、大阪の産業や市民生活を支えるコンテナ貨物の輸送を担うとともに、土地造成の進む夢洲のまちづくりに重要な役割を果たす。
  完成後は「夢舞大橋」や「大阪港咲洲トンネル」とともに、舞洲、夢洲、咲洲が結ばれ、大阪湾ベイエリアの道路網が充実する。
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3.今後の方向性
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 咲洲コスモスクエア地区は、ものづくり企業のアジア交易・交流の拡大に資するビジネス交流拠点の形成、まちの魅力の向上に資するにぎわい創出と安全・安心の環境整備をすることにしている。
  夢洲地区については、ものづくりの高付加価値化を支援するアジア交易の産業・物流拠点の形成を方針とし、今後5年程度で開発可能な先行開発地区と将来開発地区との段階的な土地利用としており、先行開発地区では、物流・産業ゾーンの形成を目指す。将来開発地区(約250ha)については、住宅計画を白紙に戻し、貴重な開発空間であることから、今後の社会経済環境の変化を的確に把握し、中長期の需要を見極めつつ、需要先行型の開発を進める事としている。
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4.平成21年度の具体的な取り組みについて
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 この地区における平成21年度の予算額は22億円である。
まちづくりを実現するための取り組みについては下記のとおり計上している。
 
咲洲コスモスクエア地区
●ビジネス交流拠点の形成に向けて
◇商談機能の充実
・インテックス大阪の施設活性化手法、運営手法の検討
  (平成21年度)
・サイボス2012をはじめとしたコンベンションに対応する
  機能整備(~平成24年度)
・ものづくり系を中心とした大型展示商談会の誘致活動(平成20年度~)
◇アジアビジネス交流機能の強化
・ATCの機能強化(海外機関の誘致)
◇企業などの立地促進
  【予算10億円】
・コスモスクエア立地促進助成制度の充実
  (土地代の3割補助 平成24年3月までに延伸など)
◇WTC、ATC~コスモスクエア駅間周辺の環境改善
  【予算3億9,600万円】
・ペデストリアンデッキ(高架等による歩行者専用道路)の整備
  など
☆コスモスクエア駅前~伊藤忠商事用地までは
  平成22年3月に完成
☆コスモスクエア駅前~WTCなどは、
  施設の立地を前提に整備を推進
●賑わいの創出と環境整備に向けて
【予算1,900万円】
◇R岸壁のフェリーターミナル化の推進
◇コスモスクエア開発協議会でのルールの
  見直しによる良質な景観形成の検討
◇大型車両の渋滞緩和
・大阪港全体のコンテナ埠頭再編の推進など
●交通利便性の向上に向けて
  【予算2,700万円】
◇咲洲トンネルの利用料金を低減
◇道路案内板の改良
◇地下鉄乗り換え案内の充実
 
夢洲地区
●先行開発地区での産業・物流拠点の形成に向けて
【予算7億5,800万円】
◇基盤整備の推進
◇効果的な企業誘致策の検討
・誘致対象業種の選定やインセンティブの検討
 
航空写真(咲洲・夢洲)平成21年2月撮影
 
咲洲・夢洲地区のゾーニング図
 
以上が報告書に基づく大阪市の方針である。
 
■これからの活用について
  最近の大阪湾ベイエリアでは、薄型テレビのディスプレイパネルや電池関連などの先端分野での大型投資が進められている。今後も、アジア諸国の急速な経済発展やグローバル化の進展を背景として、高付加価値基礎部材等を製造するものづくり企業の立地ニーズの高まりが見込まれる。また、1月に社団法人関西経済連合会が発表した「大阪湾パネル・ベイの物流需要調査」では、2010年に320千トン/年、2015年に513千トン/年の物流が発生すると推計されている。(大阪湾ベイエリアに新工場や工場を増設する主要な企業を対象とする7工場:パナソニック3工場、シャープ2工場、三洋電機2工場を対象に、ヒアリング調査をもとに稼動後の製品に関する物流需要を推計)物流機能としての土地利用整備も急がれる。
 大阪市の今回の報告書については、臨海部が有しているメリットや特性を活かし、土地利用にフレキシブルに対応できるように、またWTC、ATC、インテックス大阪などの既存施設を最大限に有効活用し、大阪湾ベイエリアのポテンシャルを高めるか考えたものである。大阪港の競争力強化・充実、利便性の向上をめざすことにより、大阪湾ベイエリア全域への活性化に向け起爆剤になるような土地利用を考えていかなければならない。
  大阪府庁舎のWTCへの移転については、不調には終わったが、大阪市の問題だとするのではなく、府市が協力して、圏域を超えた取り組みで、地域経済再生を目指したことは評価できるし、今後も、関西としてどう大阪湾ベイエリアを活性化していくのか官民をあげての連携が不可欠である。
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