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大阪湾ベイエリアの総合的開発整備を国家的プロジェクトとして推進するため、
「大阪湾臨海地域開発整備法」が平成4年12月に制定されました。
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目次

概要
大阪湾臨海地域開発整備法
大阪湾臨海地域及び関連整備地域の整備等に関する基本方針
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概要
 

1.目的
  この法律は、大阪湾臨海地域における近年の産業構造の変動等経済的社会的環境の変化に対処して、世界都市にふさわしい機能と住民の良好な居住環境等を備えた地域としての当該地域の整備等に関する総合的な計画を策定し、その実施を促進することにより、当該地域及びその周辺の地域における活力の向上を図り、もって東京圏への諸機能の一極集中の是正並びに世界及び我が国の経済、文化等の発展に寄与することを目的とする。

2.定義
(1)大阪湾臨海地域
  大阪湾及びこれに隣接する水域を地先水面とする市町村の区域並びにその区域と接する市町村の区域のうち、「目的」に資する整備等を促進すべき地域で、主務大臣が府県知事の申請に基づき関係行政機関の長に協議して指定した地域

(2)関連整備地域
  大阪湾臨海地域の周辺の地域のうち、大阪湾臨海地域における「目的」に資する整備等と関連して必要となる整備等を促進すべき地域で、主務大臣が府県知事の申請に基づき関係行政機関の長に協議して指定した地域

(3)開発地区
  大阪湾臨海地域のうち次に掲げる地区
・大阪湾臨海地域の中核として開発を行う地区
・中核的施設並びに公共、公益的施設の整備の用に供する土地の確保が容易な地区
・高速自動車国道、空港その他高速輸送に係る施設の利用が容易な地区

(4)中核的施設
  研究施設、展示施設、会議場施設、業務施設、教養文化施設その他の施設であって、開発地区を整備する上で中核となる施設

3.基本方針
  主務大臣は、大阪湾臨海地域及び関連整備地域の整備等に関する基本方針を決定する。

4.整備計画
(1)整備計画の策定
  関係府県知事・政令市長は、基本方針に基づき、関係市町村長、一般財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構その他必要と認める学識経験のある者の意見を聴いて、整備計画を作成し、主務大臣に協議し、同意を求めることができる。

(2)開発地区の申出
  大阪湾臨海地域において法に定める要件に該当する一団の土地を所有する者は、関係府県知事・政令市長に対し、開発地区に適合する旨を申し出ることができる。申出を受けた府県知事・政令市長は、申出者に対し、開発地区として定めた旨及び整備計画を実施する際に配慮すべき事項を通知する。

5.促進協議会
  整備計画の実施の促進に関し必要な協議を行うため、主務大臣、関係行政機関の長、関係府県知事、関係政令市長等からなる協議会を組織する。

6.公共施設の整備に伴う負担
  公共施設の整備を行う者又は地方公共団体は、公共施設の整備その他整備計画の実施により著しく利益を受けることとなる者に対し、その利益に応じた適切な負担を求めることができる。

7.各種支援及び配慮
(1)公共施設の整備
(2)地方債についての配慮
(3)資金の確保その他の措置
(4)地方税の不均一課税に伴う措置
(5)都市計画法等による処分についての配慮

8.大都市の特例
  大阪湾臨海地域及び関連整備地域の指定、基本方針の決定及び変更、整備計画の策定について府県知事の権限に属するものとされている事務は、指定都市においては当該指定都市の長が行う。

9.主務大臣
  国土交通大臣、総務大臣、経済産業大臣、環境大臣


大阪湾臨海地域開発整備法

<平成4年12月24日法律第110号
最終改正:平成11年12月22日法律第160号>


(目的)
第一条  この法律は、大阪湾臨海地域における近年の産業構造の変動等経済的社会的環境の変化に対処して、世界都市にふさわしい機能と住民の良好な居住環境等を備えた地域としての当該地域の整備等に関する総合的な計画を策定し、その実施を促進することにより、当該地域及びその周辺の地域における活力の向上を図り、もって東京圏への諸機能の一極集中の是正並びに世界及び我が国の経済、文化等の発展に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「大阪湾臨海地域」とは、大阪湾及びこれに隣接する水域を地先水面とする市町村の区域並びにその区域と接する市町村の区域のうち、前条に規定する整備等を促進すべき地域で第四条第一項の規定により指定されたものをいう。
2  この法律において「関連整備地域」とは、大阪湾臨海地域の周辺の地域のうち、大阪湾臨海地域における前条に規定する整備等と関連して必要となる整備等を促進すべき地域で第四条第一項の規定により指定されたものをいう。
3  この法律において「開発地区」とは、大阪湾臨海地域のうち次に掲げる要件を備えた地区であって、第八条第一項の整備計画に定められたものをいう。
一  大阪湾臨海地域の中核として特に開発を行うことが適当と認められる地区であること。
二  中核的施設並びに公共施設及び公益的施設の整備の用に供する土地の確保が容易であること。
三  高速自動車国道、空港その他の高速輸送に係る施設の利用が容易であり、又は容易となることが確実と見込まれること。
4  この法律において「中核的施設」とは、研究施設、展示施設、会議場施設、業務施設、教養文化施設その他の施設であって、開発地区を整備する上で中核となるものをいう。

(施策における配慮)
第三条  国及び地方公共団体は、この法律に規定する大阪湾臨海地域及び関連整備地域の整備等に関する施策の策定及び実施に当たっては、次に掲げる事項について配慮しなければならない。
一  適正かつ合理的な土地利用の確保、国土の保全及び災害の防止を図るよう努めること。
二  瀬戸内海の自然環境等の重要性にかんがみ、広域的な観点から総合的に環境の保全を図るよう努めること。
三  地域における創意工夫を尊重するとともに、地域住民、民間事業者等の理解と協力を得るよう努めること。
四  大阪湾臨海地域の周辺の地域における活力の向上に寄与するよう努めること。
五  大阪湾臨海地域及びその周辺の地域における有機的かつ効率的な交通網、通信網等の形成を図るとともに、世界及び我が国の各地域との経済、文化等の交流を促進するよう努めること。

(地域の指定)
第四条  大阪湾臨海地域及び関連整備地域は、主務大臣が、府県知事の申請に基づき、関係行政機関の長に協議して指定するものとする。
2  府県知事は、前項の申請をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長に協議しなければならない。
3  第一項の申請及び協議は、国土交通大臣を通じて行うものとする。
4  主務大臣は、第一項の指定をしたときは、その旨及びその区域を公示しなければならない。
5  前各項の規定は、大阪湾臨海地域及び関連整備地域の指定を変更する場合について準用する。

(基本方針の決定及び変更)
第五条  主務大臣は、大阪湾臨海地域及び関連整備地域の整備等に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を決定しなければならない。
2  主務大臣は、前項の決定をしようとするときは、国土交通大臣を通じて、関係府県知事の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議しなければならない。
この場合において、主務大臣は、関係府県知事から意見の申出を受けたときは、国土交通大臣を通じて、遅滞なくこれに回答するものとする。
3  主務大臣は、基本方針を決定したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、関係府県知事に通知しなければならない。
4  前三項の規定は、基本方針を変更する場合について準用する。

(基本方針の内容)
第六条  基本方針には、大阪湾臨海地域について、次に掲げる事項を定めるものとする。
一  整備等の目標
二  開発地区の設定及び中核的施設の整備に関する基本的事項
三  公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する基本的事項
四  産業構造の高度化に関する基本的事項
五  環境の保全に関する基本的事項
六  国際交流、教養文化活動等の活動に関する基本的事項
七  地価の安定、災害の防止その他大阪湾臨海地域の整備に際し配慮すべき重要事項
2  基本方針には、関連整備地域について、次に掲げる事項を定めるものとする。
一  整備等の目標
二  大阪湾臨海地域との有機的かつ効率的な連携に関する基本的事項
三  公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する基本的事項
四  産業構造の高度化に関する基本的事項
五  環境の保全に関する基本的事項
六  国際交流、教養文化活動等の活動に関する基本的事項
七  地価の安定、災害の防止その他関連整備地域の整備に際し配慮すべき重要事項

(整備計画の策定)
第七条  関係府県知事は、基本方針に基づき、関係市町村長、一般財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構(以下「機構」という。)その他必要と認める学識経験のある者の意見を聴いて、当該府県の区域内の大阪湾臨海地域又は関連整備地域について大阪湾臨海地域又は関連整備地域の整備等に関する計画(以下「整備計画」という。)を作成し、国土交通大臣を通じて主務大臣に協議しその同意を求めることができる。
2  主務大臣は、整備計画に同意しようとするときは、国土交通大臣を通じて、関係行政機関の長に協議しなければならない。
3  関係府県知事は、整備計画の同意を得たときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
4  前三項の規定は、整備計画を変更する場合について準用する。
5  大阪湾臨海地域において第二条第三項に規定する要件に該当する一団の土地を所有する者は、当該土地が所在する府県の知事に対し、当該土地が開発地区の要件に適合する旨の申出を行うことができる。
6  前項の申出を受けた府県知事は、当該申出をした者に対し、申出に係る土地の全部又は一部を開発地区として定めたときは、その旨及び申出をした者が整備計画を実施する際に配慮すべき事項を通知するものとし、申出に係る土地を開発地区として定めないこととしたときは、その旨を通知するものとする。

(整備計画の内容)
第八条  大阪湾臨海地域に係る整備計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一  名称及び区域
二  整備等の目標
三  人口の規模及び土地の利用に関する事項
四  開発地区の名称及び区域並びに当該区域ごとの整備の方針に関する事項
五  開発地区において整備すべき中核的施設の種類、規模等に関する基本的な事項
六  公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する事項
七  産業構造の高度化に関する事項
八  環境の保全に関する事項
九  国際交流、教養文化活動等の活動に関する事項
十  地価の安定、災害の防止その他大阪湾臨海地域の整備に際し配慮すべき事項
2  関連整備地域に係る整備計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一  名称及び区域
二  整備等の目標
三  大阪湾臨海地域との有機的かつ効率的な連携に関する事項
四  次に掲げる事項のうち必要となる事項
イ 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する事項
ロ 産業構造の高度化に関する事項
ハ 環境の保全に関する事項
ニ 国際交流、教養文化活動等の活動に関する事項
五  地価の安定、災害の防止その他関連整備地域の整備に際し配慮すべき事項
3  整備計画は、近畿圏整備計画その他法令の規定による地域振興に関する計画
と調和したものでなければならない。

(協力)
第九条  国、関係地方公共団体及び関係事業者は、第七条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の同意を得た整備計画(以下「同意整備計画」という。)の円滑な実施が促進されるよう相互に連携を図りつつ協力しなければならない。

(促進協議会)
第十条  同意整備計画の実施の促進に関し必要な協議を行うため、促進協議会を組織する。
2  前項の協議を行うための会議は、次に掲げる者をもって構成する。
一  主務大臣、関係行政機関の長、関係府県知事及び関係指定都市(地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市をいう。以下同じ。)の長(以下この条において「主務大臣等」という。)又はその指名する職員
二  主務大臣等が協議して指名する関係市町村長その他の者
3  前項に定めるもののほか、促進協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、促進協議会が定める。
4  第一項の協議を行う場合において必要と認められるときは、機構、関係事業者その他学識経験のある者の意見を聴くものとする。

(公共施設の整備)
第十一条  国及び地方公共団体は、同意整備計画を達成するために必要な公共施設の整備の促進に努めなければならない。

(地方債についての配慮)
第十二条  地方公共団体が同意整備計画を達成するために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。

(資金の確保等)
第十三条  国は、同意整備計画の達成に資するため必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

(地方税の不均一課税に伴う措置)
第十四条  地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項 の規定により、総務省令で定める地方公共団体が、大阪湾臨海地域及び関連整備地域において中核的施設その他の施設のうち総務省令で定める施設を同意整備計画に従って新設し、又は増設した者について、当該施設の用に供する家屋若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税又は当該施設の用に供する償却資産若しくは家屋若しくはその敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法 (昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条 の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条 の規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあっては、これらの措置がなされた最初の年度以降三箇年度におけるものに限る。)のうち総務省令で定めるところにより算定した額を同条 の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が総務省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。

(公共施設の整備に伴う負担)
第十五条  同意整備計画の達成のために必要な公共施設の整備を行う者又は地方公共団体は、土地に関する権利を有する者が当該公共施設の整備その他同意整備計画の実施により著しく利益を受けることとなる場合においては、関係者間の協議に基づいて協定を締結することにより、その者に対し、その利益に応じた適切な負担を求めることができる。ただし、他の法令に基づいて負担させる場合は、この限りでない。

(都市計画法 等による処分についての配慮)
第十六条  国の行政機関の長又は関係府県知事は、同意整備計画に基づく中核的施設その他これに相当する施設の整備のため都市計画法 (昭和四十三年法律第百号)その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該施設の整備が促進されるよう適切な配慮をするものとする。

(監視区域の指定)
第十七条  関係府県知事又は関係指定都市の長は、大阪湾臨海地域及び関連整備地域のうち、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を国土利用計画法 (昭和四十九年法律第九十二号)第二十七条の六第一項 の規定により監視区域として指定するよう努めるものとする。

(大都市の特例)
第十八条  第四条、第五条及び第七条の規定により府県知事の権限に属するものとされている事務は、指定都市においては、当該指定都市の長が行う。

(主務大臣)
第十九条  この法律における主務大臣は、国土交通大臣、総務大臣、経済産業大臣及び環境大臣とする。

附則(以下、省略)


大阪湾臨海及び関連整備地域の整備等に関する基本方針


<平成5年10月25日 環・国・通・運・郵・建・自告2
改正 平成12年3月27日 環・国・通・運・郵・建・自告1>


  大阪湾臨海地域は、我が国の工業生産、物流等に関する中枢的な地域として発展してきたが、近年の産業構造の変動等に伴い、工場の遊休化等による低未利用地の発生や一部地域での人口流出の増大など、地域における活力の低下が顕著となっており、その活性化を図ることは、本地域はもとより関西圏全体の振興にかかわる重要な課題となっている。
  他方、本地域においては、良好な環境を求める社会的要請にこたえ、本地域の環境の状況及び瀬戸内海の自然環境等の重要性にかんがみ、広域的な観点から総合的に環境の保全を図るよう配慮し、臨海部については、水辺を生かした自然と人間とのかかわりを回復する観点にも配慮しつつ、地域環境の整備を進めることが今日的課題となっている。
  また、我が国の国際化に伴い、本地域においても世界に開かれ、世界とともに歩む地域づくりを進めることが求められているほか、東京圏への諸機能の一極集中の是正のための先導的役割を果たすべき地域として、発展が期待されているところである。
  このようなことから、本地域においては、東京圏に次ぐ諸機能の集積を有する地域としての開発ポテンシャルを生かした、個性的で魅力ある世界都市にふさわしい機能と良好な居住環境等を備えた地域としての整備が求められているところである。
  この実現に当たっては、地域の創意工夫に基づき行われるべきものであるが、本地域においては、関西国際空港に代表される大規模プロジェクトが鋭意進められ、これらに関連する地域整備が数多く実施又は計画されているところであり、これらを総合的かつ広域的な視点から調整し、計画的に進めることも急務となっている。
  また、関連整備地域は、特色ある歴史、文化、芸術等の蓄積を生かして、大阪湾臨海地域と有機的、効率的に連携し、一体となって世界都市にふさわしい機能と住民の良好な居住環境等の整備を図ることが必要である。
  本基本方針は、このような状況にかんがみ、大阪湾臨海地域及び関連整備地域における整備等を総合的に実施することにより、関西圏全域の活力の向上を図り、もって東京圏への諸機能の一極集中の是正並びに世界及び我が国の経済、文化等の発展に寄与することを目的として、これらの地域の整備等に係る基本的な事項を定めるものである。

第一 大阪湾臨海地域の整備等に関する事項

一 整備等の目標

1 目標とすべき性格及び機能
  大阪湾臨海地域は、次のような性格及び機能を有することを目標として、一層の整備等を図るものとすること。

(1) 国際業務管理施設や国際金融関連施設等の有する国際業務機能や高次産業機能、国際旅客・貨物ターミナル施設等の有する国際交通機能、国際衛星地球局等の有する国際通信機能、国際会議場施設や貿易関連施設等の有する国際交流・交易機能、高次文化施設等の有する文化・学術・研究機能等の世界的水準の諸機能を備えた地域としての整備等を図ること。

(2) 世界都市にふさわしい機能の整備等と併せて、職住が近接した良好な居住機能を備えた地域としての整備等を図ること。特に、低層の密集市街地や工場等と住宅とが混在する地域においては、公共施設の整備等による環境の改善を行いつつ、地域の活性化を図ること。
  また、地域住民が豊かさを実感できるよう、広範な分野における高次のサービスを提供する利便施設等の整備を図ること。

(3) 健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、良好な地域環境を形成するため、大気汚染や水質汚濁等の公害の防止及び自然環境の保全を図るとともに、大阪湾等に沿ってウォーターフロントの特性を生かした親水空間、レクリエーション空間及び緑豊かな景観等アメニティ空間の確保並びに自然との触れ合いの場の整備等を図ること。

(4) 産業構造の高度化のため、地域の有する産業集積等のポテンシャルを活用しつつ、関西圏における産業の適正な配置にも努めながら、既存産業の高度化及び先導的産業の充実を図るとともに、そのための研究開発機能等の産業高度化支援機能の集積及び産業基盤の整備を図ること。

(5) 本地域内相互の一体性を高めるとともに、本地域外の主要都市との有機的かつ効率的な連携を図るため、高速性の確保、陸海空の相互連携、高度かつ多様な情報処理及び電気通信のサービスの普及等に配慮しつつ、交通機能や情報・通信機能の整備を図ること。

(6) 地域の安全性に配慮した地域づくりを進めるとともに、水資源開発施設、エネルギー等の安定的かつ効率的な供給を行うための施設等の整備を図りつつ、未利用エネルギーの活用等を促進すること。

2 整備等の方向
  大阪湾臨海地域における整備等は、大阪湾臨海地域開発整備法(平成四年法律第百十号。以下「法」という。)第七条第一項の規定により作成された整備計画に基づき、地域の創意工夫を尊重して行われるものであること。
  その整備計画の作成及び実施に当たっては、長期的展望に立ちつつも整備効果を早期に発揮させることに重点を置き、当面二十一世紀初頭を目標として、次の事項に留意しつつ、計画的かつ一体的な整備の推進に努めるものとすること。

(1) 地域固有の文化、伝統、産業等地域の特性を踏まえて、地域の自主性、創意工夫を最大限に生かしつつ、個性的で魅力あふれる地域づくりに努めること。
(2) 大阪湾臨海地域内及び関連整備地域との間において、有機的かつ効率的な連携が図られるよう、その整備等が広域的、総合的観点から相互に調整されていること。また、関係市町村における役割・機能の適切な分担・連携を図ること。
(3) 地域住民の意向を十分に反映するよう努めること。
(4) 民間活力の導入による諸機能の整備を積極的に図るとともに、公共施設等の整備については、適正な開発利益の還元に配慮すること。
(5) 他の法令等に基づく国又は地方公共団体等の計画との調和を図ること。
(6) 秩序ある土地利用及び海域利用の実現に努めるとともに、地価の安定等に配慮すること。
(7) 整備計画の実施に当たっては、経済的社会的環境の変化に柔軟に対応するよう努めること。
(8) 瀬戸内海の自然環境等の重要性にかんがみ、広域的な観点から総合的に環境の保全を図るよう配慮すること。

二 開発地区の設定及び中核的施設の整備に関する基本的事項

1 開発地区の性格及び機能
  開発地区は、大阪湾臨海地域のうち、土地利用の状況、用地確保の容易性、周辺の公共施設の状況等からみて、広域の見地から、世界都市にふさわしい機能と住民の良好な居住環境等を備えた地域としての整備等を図るための事業を重点的に実施すべき地区で、次のような性格及び機能を有するものであること。

(1) 世界都市にふさわしい機能が、総合的かつ計画的に整備されることにより、関西圏におけるバランスのとれた圏域構造の形成に資するとともに、東京都区部等に集中している業務機能等の当該地区への移転が促進されることにより、東京圏への諸機能の一極集中の是正が図られ、大阪湾臨海地域の整備の拠点となるべき地区であること。

(2) 就業機会と併せて良好な居住機能等が提供されることにより、大阪湾臨海地域において、職住近接性に配慮した良好な地域社会の実現に資するものであること。

(3) 公害の防止、自然環境の保全及び良好な景観形成に対する適切な配慮がなされる等環境との調和が十分図られているものであること。

(4) 複数の開発地区を設定する場合は、各々の地区の役割分担を明確化するとともに、それらが有機的連携を有することにより、大阪湾臨海地域の一体的整備が図られるものであること。

2 開発地区の立地及び規模
  開発地区は、法第二条第三項の要件に該当する地区について、次の点に留意して設定するものであること。

(1) 大阪湾臨海地域の中核として特に開発を行うことが適当と認められる地区であること。
大阪湾臨海地域として一体的な整備を進める上で諸機能の適正な配置を実現するよう設定されるものであるとともに、既存の諸機能の集積との有機的連携が図られるものであり、当該開発地区の地理的条件、公共施設の整備状況、既存の機能集積の程度、現在実施又は計画されているプロジェクト等を総合的に勘案して、広域的見地から重点的に整備されることが適当であると認められる
地区であること。
  また、当該地区は、市町村の区域内の町界、字界等明確な境界によって設定された地区で、原則としておおむね十ヘクタール以上の連接したものであり、必要な公共施設等が面的整備事業等諸制度の積極的な活用により、総合的かつ計画的に整備されているか、又はその整備が見込まれるものであること。

(2) 中核的施設並びに公共施設及び公益的施設の整備の用に供する土地の確保が容易であること。
  整備を行うための適当な低未利用地等の存在に配慮するとともに、土地等の利用状況、土地に係る法律等による規制の状況、地価等を総合的に判断して、中核的施設並びに公共施設及び公益的施設の整備の用に供することが可能な土地の確保が容易であること。

(3) 高速自動車国道、空港その他の高速輸送に係る施設の利用が容易であり、又は容易となることが確実と見込まれること。
  海外や国内の主要な地域との広域的な連携を図るための高速自動車国道、空港、鉄軌道、高速旅客船ふ頭等高速輸送施設への交通アクセスが確保されているか、又は確保されることが確実と見込まれていること。

3 申出制度の適正な運用
  開発地区の設定に当たり、法第七条第五項及び第六項に規定する土地の所有者からの申出に係る制度については、適正に運用されるよう努めるものとし、特に、次の事項に十分配慮すること。

(1) 土地の所有者からの申出を受けた府県知事は、関係市町村長から、申出に係る土地について開発地区を設定するか否かについての意見を聴取するよう努めるものとすること。
(2) 府県知事は、当該制度に対する理解及び協力を得るため、土地の所有者への周知に努めるものとすること。

4 中核的施設の性格及び機能
  中核的施設は、個別の整備計画において開発地区を整備する上で中核的役割を担う施設としての適格性を有すると判断される次のいずれかに該当すると認められるものであること。

(1) 世界都市にふさわしい機能として中心的役割を担う施設であること。
(2) 世界都市にふさわしい機能の集積のために必要な施設として共通的に利用される施設であること。

5 中核的施設の種類
  中核的施設は、整備計画において次に掲げる種類にしたがって区分されるものであること。なお、二以上の種類にまたがる施設については、主たる施設で区分すること。また、その種類、位置、規模及び機能に関する具体的内容が明らかにされていること。

(1)研究施設
高度の実験・試験施設を備えた研究又は先端的な技術開発等に関する研究の用に供される施設
(2)展示施設
国際交流の促進に資する展示又は見本市の用に供される施設及びこれらと一体的に設置される宿泊施設その他の共同利用施設
(3)会議場施設
国際的な会議又は研修の用に供される施設及びこれらと一体的に設置される宿泊施設その他の共同利用施設
(4)交流施設
展示施設や会議場施設に該当しない施設であって、国際的な人材交流やイベントの開催等の用に供される施設及びこれらと一体的に設置される宿泊施設その他の共同利用施設
(5)業務施設
国際的な経済活動等のための事業場であって、情報処理又は電気通信を高度に行うための機能並びに建築設備の制御及び作動状態の監視を高度に行うための機能を有する施設
(6)高次産業施設
オプトエレクトロニクス等の情報エレクトロニクスや新素材の開発に係る技術その他の高度の技術による産業活動を行う施設及びこれに付随する共同利用施設であって、研究施設又は業務施設と一体的に設置されるもの
(7)教養文化施設
独自の歴史や伝統、文化等を生かした国際交流に係る学習活動、音楽、美術、工芸等の文化創作活動等のための施設
(8)スポーツ又はレクリエーション施設
心身の健全な発達を図り、レクリエーションに資するための施設であって、国際交流の促進に資するもの及びこれらと一体的に設置される宿泊施設その他の
共同利用施設
(9)交通施設
地域内外の旅客又は貨物の輸送のための拠点となる施設
(10)情報・通信施設
地域内外の情報交換、電気通信又は放送のための拠点となる施設

6 中核的施設の設置
  中核的施設の設置に関しては、次の点に留意したものであること。
  なお、民間事業者の能力を活用するに当たっては、民間事業者による施設整備はもとより、地方公共団体が整備した施設を民間事業者に貸し付け、又は出資の目的とする方式を適切かつ有効に活用する等により、中核的施設の種類及び地域の実状に応じた活用が図られるよう配慮しているものであること。

(1) 開発地区の整備を行う上で必要な機能及び規模の中核的施設が全体として確保されるものであること。
(2) 各中核的施設が総合的かつ計画的に設置され、相互に有機的な連携を有するものであること。
(3) 大阪湾臨海地域の特性を生かした特色ある魅力的な施設を設置するものであること。
(4) 既存の施設も含め、中核的施設が施設全体と調和が図られるよう配慮するものであること。
(5) 公害の防止及び自然環境の保全や、良好な街並み、ウォーターフロントの特性を生かした景観やアメニティ等の保持・形成、省エネルギー及び資源のリサイクル等に十分配慮するものであること。

7 中核的施設の運営
  中核的施設のうち民間事業者が運営するものについては、次の諸点に留意したものであること。

(1) 運営についての専門的知識等を有する民間事業者によって、適正に運営が行われるものであること。
(2) 適正なサービス提供等を行うとともに、中核的施設の安定的かつ健全な経営が行われるよう利用者の確保及び増大に努めるものであること。
(3) 業務活動の成果の地域への還元・普及、人材や技術力の地域への定着の促進、地域産業の振興等に努めるものであること。
(4) 各運営主体の密接な連携・協力の下に、開発地区全体としての一体的な運営が図られるよう努めるものであること。

三 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する基本的事項

1 公共施設及び公益的施設の整備
  道路、港湾、下水道、公園、河川等の公共施設の整備は、大阪湾臨海地域を世界都市にふさわしい機能と良好な居住環境等を備えた地域として整備する上で必要不可欠であることから、その重点的な実施を図ること。
特に、国内外の有機的な連携を図るため、空港及び港湾の整備を促進すること。
また、広域的な地域間相互の連携の強化、交通の円滑化等を図るため、大阪湾臨海地域の骨格を形成し本地域における高速輸送を容易にする幹線道路、鉄軌道、海上交通のための施設及びこれに伴い必要となる安全施設等の整備を推進すること。
地域の安全性に配慮した地域づくりを進める上で必要となる海岸保全施設、治山・治水施設等国土保全施設の整備については、関連整備地域等を含む広域的な観点から整備を図ること。
大規模な低未利用地等を活用した開発地区の整備、大規模な住宅地等の整備及び既成市街地や周辺市街地における都市基盤施設の整備を行う場合には、良好な市街地の整備が必要なことにかんがみ、面的整備事業等諸制度の積極的な活用を図ること。加えて、下水道の整備や底泥のしゅんせつ、港湾・河川環境の整備、道路緑化、公園及び緑地の整備等良好な環境の創造を積極的に行い、地域のアメニティの向上等に資すること。
また、世界都市にふさわしい機能の活動を支援するとともに、高水準の都市生活を確保するため、大阪湾臨海地域と他の地域とを結ぶ情報・通信基盤の整備を図り、高度な情報・通信体系を形成するとともに、関連整備地域等を含む広域的な見地に立って、水資源開発施設、エネルギー供給基盤等の整備の促進を図ること。さらに、水の有効利用による排水量の抑制、下水、河川水等の持つ熱の利用等未利用エネルギーの活用等を促進することにより環境への負荷の軽減を図ること。

2 住宅施設その他の施設の整備
  住宅施設その他の施設の整備は、諸機能の配置とのバランスや域内外の交通施設、情報・通信施設に配慮し、職住が近接した良好な地域社会の実現のために、住宅供給に係る諸事業を積極的に活用し、計画的かつ確実に行われるものであること。
  この場合、都市活動の多様化に対応し、必要に応じて高次のサービスを提供する利便施設等の整備を図ること。

四 産業構造の高度化に関する基本的事項

 地域に集積している既存産業の持つ技術、人材、施設等の集積のメリットを生かしながら、我が国の産業構造の変化に対応した、中小企業を含む既存産業の高度化や新分野への進出、新たな先導的産業の充実を図ること。
  この場合、地域の既存産業の高度化及び先導的産業の充実を支援するため、地域に集積している既存産業の持つ研究開発機能等の産業高度化支援機能の活用並びに新たな産業高度化支援機能の集積の促進を図るとともに、産業の高度化のために必要な中枢管理機能、国際交流・交易機能等の整備を図ること。
  また、産業の高度化及び先導的産業の充実のため、土地の効率的な活用を図るとともに、エネルギー等供給基盤の整備の促進を図ること。

五 環境の保全に関する基本的事項

 大阪湾臨海地域の整備等に当たっては、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、都市の自然の保全等良好な環境の保全に向けて積極的に取り組むほか、環境の保全に関する教育及び学習の振興を図るよう努めること。また、必要に応じて総合的に環境への影響の調査研究を行うこと。
  大阪湾臨海地域の環境の現況にかんがみ、自動車排出窒素酸化物の総量を削減するための施策その他の窒素酸化物対策を推進するとともに、生活系及び産業系の排水対策等を推進することにより、大気汚染、水質汚濁、騒音、地盤沈下等の公害の防止を図るとともに、廃棄物の排出の抑制及びその適正な処理並びに再生資源の利用を推進すること。
  自然環境の保全を十分行うこととし、特に自然公園等優れた自然環境については適切に保全するとともに、自然との触れ合いの増進を図るほか、文化財の保護に十分配慮すること。
  整備計画の策定に当たっては、開発地区について、その整備の内容及び熟度に応じて環境保全上の観点から概括的な検討を行うこと等により、環境の保全に十分配慮すること。また、瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)の趣旨を尊重するとともに、瀬戸内海環境保全基本計画、公害防止計画、窒素酸化物に係る総量削減計画、化学的酸素要求量に係る総量削減計画等国又は地方公共団体が策定する環境の保全に関する計画との整合が図られるよう配慮すること。開発地区は、自然公園の特別地域等には原則として設定しないこと。

六 国際交流、教養文化活動等の活動に関する基本的事項

 国際交流、教養文化活動等の活動に当たっては、地域の特色を生かしつつ、国際的機関が承認等を行った世界的行事を積極的に推進すること。
  当該活動に際しては、地域住民が積極的に参加できるシステムを設けるとともに、その効果が、関西圏全域に及び、かつ、持続するよう努めること。
  国際交流、教養文化活動等の活動の範囲は、スポーツ、芸術活動等を含む幅広いものであり、その運営は、官民一体となった健全なものであること。

七 地価の安定、災害の防止その他大阪湾臨海地域の整備に際し配慮
すべき重要事項

1 地域振興に関する計画等との調和
  整備計画は、国土総合開発計画、近畿圏整備計画等法律の規定による地域振興に関する計画、公共施設、公益的施設及び住宅施設の整備に関する国又は地方公共団体等の計画及び定住圏、地方生活圏、広域市町村圏等の広域的な経済社会生活圏の整備に関する計画並びに都市計画との調和が保たれたものであること。

2 地価の安定
  土地の有効利用の促進及び計画的な土地利用転換等により良質な土地の供給を進め、地価の安定を図るとともに、府県と関係市町村との密接な連携の下に、地価の動向及び土地取引状況の監視に努め、土地の投機的取引及び地価の高騰が生じることのないよう留意すること。この場合、必要に応じ、国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)の規定による監視区域の指定を
行う等現行法制の積極的活用を図ること。

3 適正かつ合理的な土地利用等
  乱開発を防止し、環境の保全に配慮しつつ、調和のとれた良好な空間形成を図るため、土地利用関係法令の適切な運用を行うほか、低未利用地、国公有地等の有効活用、一体的な面的整備の実施等を図ることにより、また、国土利用計画等土地利用に関する計画に基づき、適正かつ合理的な土地利用が図られるよう適切に配慮すること。
  低未利用地については、土地利用転換、高度利用等計画的な土地利用を進めるよう努めること。なお、臨海部の産業施設用地については、その特性に留意しつつ、既成市街地等からの再配置や高次産業機能への転換等にも配慮すること。
また、産業及び人口の過度の集中を防止するための近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律(昭和三十九年法律第百四十四号)等の適切な運用を行うこと。
  海域の利用については、海上交通や海洋性レクリエーション等諸活動の安全性、効率性、快適性等を確保することにより、秩序ある海域利用の実現に努めること。

4 災害の防止等
  災害の発生を予防し、又は災害の拡大を防止するために、海岸保全施設、治山・治水施設等国土保全施設の整備を図るとともに、防災施設等の整備、公共施設等の耐震性の強化、建築物の不燃化、ライフラインの確保等地域の防災構造の強化を図ること。
  また、水資源及びエネルギー供給の確保と有効利用の促進、交通の安全と円滑の確保、重要通信の確保及び都市生活のセキュリティの確保についても配慮すること。

5 公共施設の整備に伴う負担
  法第十五条に定めるところにより、公共施設の整備その他同意整備計画の実施に伴い、土地の無償提供等の負担を求める場合においては、その制度が円滑に運用されるよう努めること。この場合において、住宅及び住宅地の価格等の適正化が実現するよう配慮すること。

6 農林漁業の健全な発展との調和
  農林漁業の健全な発展との調和が図られるよう十分配慮すること。

7 推進連絡体制等の充実強化
  大阪湾臨海地域の整備等は、関係地方公共団体等が相互に連携をとりつつ、一体となって行うべきものであることから、整備計画の策定の段階等早期から関係地方公共団体等による推進連絡体制等の充実強化を図ること。
  なお、同意整備計画の実施に当たっては、法第十条に規定する促進協議会を積極的に活用すること。

第二 関連整備地域の整備等に関する事項

一 整備等の目標

1 目標とすべき性格及び機能
  関連整備地域は、大阪湾臨海地域の整備等との適切な役割・機能の分担及び有機的かつ効率的な連携に十分に配慮しつつ、次のような性格及び機能を有することを目標として、一層の整備等を図るものとすること。

(1) 大阪湾臨海地域に整備される世界都市にふさわしい機能に関連するものの整備を図ること。
(2) 大阪湾臨海地域の世界都市にふさわしい機能の整備等と併せて、必要となる良好な居住機能の整備を図ること。
(3) 健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、良好な地域環境を形成するため、公害の防止、自然環境の保全及び利用の増進等を図ること。
(4) 大阪湾臨海地域における産業構造の高度化に関連して、産業の高度化等の推進を図るとともに、産業高度化支援機能の集積の促進及び産業基盤の整備の促進を図ること。
(5) 大阪湾臨海地域における交通機能、情報・通信機能の整備と関連して必要となる交通機能や情報・通信機能の整備を図ること。
(6) 地域の安全性に配慮した地域づくりを進めるとともに、水資源開発施設、エネルギー等の安定的かつ効率的な供給を行うための施設等の整備を図ること。

2 整備等の方向
  関連整備地域における整備等は、法第七条第一項の規定により作成された整備計画に基づき、地域の創意工夫を尊重して行われるものであること。
  その整備計画の作成及び実施に当たっては、長期的展望に立ちつつも整備効果を早期に発揮させることに重点を置き、当面二十一世紀初頭を目標として、次の事項に留意しつつ、計画的かつ一体的な整備の推進に努めるものとすること。

(1) 地域固有の文化、伝統、産業等地域の特性を踏まえて、地域の自主性、創意工夫を最大限に生かしつつ、個性的で魅力あふれる地域づくりに努めること。
(2) その整備等が大阪湾臨海地域の整備等と広域的、総合的観点から相互に調整されていること。また、関係市町村における役割・機能の適切な分担・連携を図ること。
(3) 地域住民の意向を十分に反映するよう努めること。
(4) 民間活力の導入による諸機能の整備を積極的に図るとともに、公共施設等の整備については、適正な開発利益の還元に配慮すること。
(5) 他の法令等に基づく国又は地方公共団体等の計画との調和を図ること。
(6) 秩序ある土地利用及び海域利用の実現に努めるとともに、地価の安定等に配慮すること。
(7) 整備計画の実施に当たっては、経済的社会的環境の変化に柔軟に対応するよう努めること。
(8) 瀬戸内海の自然環境等の重要性にかんがみ、広域的な観点から総合的に環境の保全を図るよう配慮すること。

二 大阪湾臨海地域との有機的かつ効率的な連携に関する基本的事項

 関連整備地域における整備等に当たっては、大阪湾臨海地域との有機的かつ効率的な連携が図られるよう、次の点に留意すること。

1 その整備等が、大阪湾臨海地域に整備すべき機能等を支援し、又は適正に分担し、大阪湾臨海地域の整備等と一体となって関西圏の秩序と調和ある発展に寄与すること。

2 本地域と大阪湾臨海地域とを結ぶ交通基盤、情報・通信基盤の整備に努めること。

3 大阪湾等の水質改善に資する下水道の整備、河川、湖沼、ダム湖及び海域の水質改善等を積極的に行うことにより、本地域と大阪湾臨海地域における環境改善に努めること。

4 本地域と大阪湾臨海地域との共通の経済的社会的基盤である国土保全施設の整備に努めること。

5 本地域及び大阪湾臨海地域における諸活動を支える水資源開発施設、エネルギー等の安定的かつ効率的な供給を行うための施設等の整備に努めること。

三 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する基本的事項

1 公共施設及び公益的施設の整備
  道路、港湾、下水道、公園、河川等の公共施設の整備は、本地域及び大阪湾臨海地域の整備等を推進する上で必要不可欠であることから、その重点的な実施を図ること。
  特に、圏域内外との有機的な連携を図るため、空港及び港湾の整備を促進すること。また、広域的な地域間相互の連携の強化、交通の円滑化等を図るため、本地域と大阪湾臨海地域とを結ぶ広域的な幹線道路、鉄軌道、海上交通のための施設及びこれに伴い必要となる安全施設等の整備を推進すること。
  地域の安全性に配慮した地域づくりを進める上で必要となる海岸保全施設、治山・治水施設等国土保全施設の整備については、本地域と関連する地域を含む広域的な観点から整備を図ること。
  都市基盤施設の整備を行う場合には、良好な市街地の整備が必要なことにかんがみ、面的整備事業等諸制度の積極的な活用を図ること。加えて、下水道の整備や底泥のしゅんせつ、港湾・河川環境の整備、道路緑化、公園及び緑地の整備等良好な環境の創造を積極的に行い、地域のアメニティの向上等に資すること。
  また、世界都市にふさわしい機能の活動を支援するとともに、高水準の都市生活を確保するため、本地域と大阪湾臨海地域とを結ぶ情報・通信基盤の整備を図り、高度な情報・通信体系を形成するとともに、広域的な見地に立って、水資源開発施設、エネルギー供給基盤等の整備の促進を図ること。さらに、水の有効利用による排水量の抑制、下水、河川水等の持つ熱の利用等未利用エネ
ルギーの活用等を促進することにより環境への負荷の軽減を図ること。

2 住宅施設その他の施設の整備
  住宅施設その他の施設の整備は、諸機能の配置とのバランスや本地域と大阪湾臨海地域とを結ぶ交通施設、情報・通信施設に配慮し、住宅供給に係る諸事業を積極的に活用し、計画的かつ確実に行われるものとし、都市活動の多様化に対応して、高次のサービスを提供する利便施設等の整備を図ること。
  また、良好な地域環境を形成し、地域住民及び本地域への来訪者に安らぎの場を提供するため、国際交流の促進に資する余暇活動等の用に供される施設及びこれらと一体的に設置される宿泊施設その他の共同利用施設の整備を促進すること。

四 産業構造の高度化に関する基本的事項

 大阪湾臨海地域における産業構造の高度化に関連して、大阪湾臨海地域の産業集積との有機的連携を図りつつ、地域に根ざした地場産業の活性化、工業団地の整備等により、地域産業の高度化を図ること。
  また、本地域及び大阪湾臨海地域の産業の高度化のための産業高度化支援機能及び産業基盤の整備を図ること。

五 環境の保全に関する基本的事項

 関連整備地域の整備等に当たっては、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、都市の自然の保全等良好な環境の保全に向けて積極的に取り組むほか、環境の保全に関する教育及び学習の振興を図るよう努めること。また、必要に応じて総合的に環境への影響の調査研究を行うこと。
  関連整備地域の環境の状況に応じ、大気汚染、水質汚濁等に係る公害防止対策、廃棄物の適正な処理等を推進するとともに、大阪湾臨海地域の公害の防止に関連する施設の整備等に配慮すること。
  自然環境の保全を十分行うこととし、特に自然公園等優れた自然環境については適切に保全するとともに、自然との触れ合いの増進を図るほか、文化財の保護に十分配慮すること。
  整備計画の策定に当たっては、瀬戸内海環境保全特別措置法の趣旨を尊重するとともに、瀬戸内海環境保全基本計画、公害防止計画、窒素酸化物に係る総量削減計画、化学的酸素要求量に係る総量削減計画等国又は地方公共団体が策定する環境の保全に関する計画との整合が図られるよう配慮すること。

六 国際交流、教養文化活動等の活動に関する基本的事項

 国際交流、教養文化活動等の活動に当たっては、地域の特色を生かしつつ、国際的機関が承認等を行った世界的行事を積極的に推進すること。
  当該活動に際しては、地域住民が積極的に参加できるシステムを設けるとともに、その効果が、関西圏全域に及び、かつ、持続するよう努めること。
  国際交流、教養文化活動等の活動の範囲は、スポーツ、芸術活動等を含む幅広いものであり、その運営は、官民一体となった健全なものであること。

七 地価の安定、災害の防止その他関連整備地域の整備に際し配慮すべき重要事項

1 地域振興に関する計画等との調和
  整備計画は、国土総合開発計画、近畿圏整備計画、四国地方開発促進計画等法律の規定による地域振興に関する計画、公共施設、公益的施設及び住宅施設の整備に関する国又は地方公共団体等の計画及び定住圏、地方生活圏、広域市町村圏等の広域的な経済社会生活圏の整備に関する計画並びに都市計画との調和が保たれたものであること。

2 地価の安定
  土地の有効利用の促進等により、地価の安定に十分配慮すること。この場合、必要に応じ、国土利用計画法の規定による監視区域の指定を行う等現行法制の積極的活用を図ること。

3 適正かつ合理的な土地利用等
  乱開発を防止し、環境の保全に配慮しつつ、調和のとれた良好な空間形成を図るため、土地利用関係法令の適切な運用を行うほか、国土利用計画等土地利用に関する計画に基づき、適正かつ合理的な土地利用が図られるよう適切に配慮すること。また、産業及び人口の過度の集中を防止するための近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律等の適切な運用を図る。
  海域の利用については、海上交通や海洋性レクリエーション等諸活動の安全性、効率性、快適性等を確保することにより、秩序ある海域利用の実現に努めること。

4 災害の防止等
  災害の発生を予防し、又は災害の拡大を防止するために、海岸保全施設、治山・治水施設等国土保全施設の整備を図るとともに、防災施設等の整備、公共施設等の耐震性の強化、建築物の不燃化、ライフラインの確保等地域の防災構造の強化を図ること。
  また、水資源及びエネルギー供給の確保と有効利用の促進、交通の安全と円滑の確保、重要通信の確保及び都市生活のセキュリティの確保についても配慮すること。

5 公共施設の整備に伴う負担
  法第十五条に定めるところにより、公共施設の整備その他同意整備計画の実施に伴い、土地の無償提供等の負担を求める場合においては、その制度が円滑に運用されるよう努めること。この場合において、住宅及び住宅地の価格等の適正化が実現するよう配慮すること。

6 農林漁業の健全な発展との調和
  農林漁業の健全な発展との調和が図られるよう十分配慮すること。

7 推進連絡体制等の充実強化
  関連整備地域の整備等は、関係地方公共団体等が相互に連携をとりつつ、一体となって行うべきものであることから、整備計画の策定の段階等早期から関係地方公共団体等による推進連絡体制等の充実強化を図ること。なお、同意整備計画の実施に当たっては、法第十条に規定する促進協議会を積極的に活用すること。

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