一般財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構
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大阪湾ベイエリア開発整備のグランドデザイン
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グランドデザインの点検作業-検討委員会報告-
 
『大阪湾ベイエリア開発整備へのアクション起動に向けて~検討委員会報告~』 平成13年5月 一般財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構
a
1 趣旨と目的
2 「グランドデザイン」の理念と策定時以降の社会経済情勢
3 厳しさを増す大阪湾ベイエリア開発整備
4 アクションを起こすための視点
5 大胆な実験的取り組み(社会実験)の導入
6 整備促進のための仕組みづくり
7 先導的取り組みの展開モデル
8 推進体制と(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構の役割強化
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.趣旨と目的
 「大阪湾ベイエリア開発整備のグランドデザイン」(以下「グランドデザイン」という)は、大阪湾ベイエリアの将来に向けて、平成3年4月に関係地方自治体、学識経験者、経済界の総意により策定された。これを受け、平成3年12月には(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構が設立され、また、平成4年12月には「大阪湾臨海地域開発整備法」が策定されて、大阪湾ベイエリアの開発整備が進められてきた。
  しかしながら、バブル経済崩壊による、我が国、特に近畿経済の長期低迷による投資余力の減少の中で、大阪湾ベイエリア地域の開発整備への歩みは遅れがちとなっており、さらに、阪神・淡路大震災の影響や社会経済構造の変革という事態が生じたことにより、大阪湾ベイエリアは閉塞状況に陥りつつある。
  そこで、このたび、「グランドデザイン」で示された方向に基づき、産業界・市民・行政のパートナーシップと広域連携のもと、従来の開発整備システムにとらわれず、新しい制度・手法を実験的かつ積極的に導入し、21世紀の時代潮流を先導する地域としての大阪湾ベイエリアの開発整備の『アクション起動に向けた提言』を策定した。
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「グランドデザイン」の理念と策定時以降の社会経済情勢
(1)「グランドデザイン」で目標としてきたこと
  「グランドデザイン」で示された「世界都市“関西”形成のフロンティア」として1産業経済圏や文化・学術圏の形成など世界都市機能の整備、2人間性回復空間の再生、3多核ネットワーク型都市圏の形成を目指す大阪湾ベイエリア開発整備の理念・目標は、今日においても生き続けている。
  そして、「グランドデザイン」で示されたシンボルプロジェクトをみると、これらの中には、「なぎさ海道」など着々と取り組みが進められているものがある一方、その後の情勢変化のもとで大幅な進捗のみられないものもある。
  これらのシンボルプロジェクトは、特定の施設の建設などに代表されるハード的整備のニュアンスが強いことは否定できないことから、現在の社会経済的な状況下では、こうしたニュアンスのもとでのシンボルプロジェクトの推進には限界があると考えられる。
  一方で、これらのシンボルプロジェクトを、コンセプトといったソフト的な意味あいで捉え直すならば、その成果は着実にあがってきていると評価できる。このため、シンボルプロジェクトの推進については、そのコンセプトを今日的に捉え直した上で、むしろソフト的な意味あいで、ネットワーク化等により推進を図ることが必要である。


表 シンボルプロジェクトの進捗状況及び今後の取り組み方向
プロジェクト グランドデザインでの
提案内容
進捗状況及び今後の取り組み方向
a.なぎさ海道 人々と海とのふれあいを拡大し得るよう、大阪湾の水際線全体のネットワーク化、開放を推進
シンボルプロジェクトの中で、もっとも取り組みが推進されているもの
 
なぎさ海道整備モデル事業の創設等、推進のための仕組みづくりを含めた取り組みの強化、土取り跡地の緑化に成功した淡路夢舞台の整備
臨海地域と関連整備地域との連携のシンボル的意味づけも持った、なぎさ海道プロジェクトの内陸部への拡大
自然環境の回復、創造を図るとともに、魅力と活力ある都市への再生をめざし、遊休地等を活用した豊かな緑の創出や水環境の回復により都市全体が緑に囲まれた「尼崎21世紀の森」づくりなど
b.国際ベイエリア研究センター 環境対策や防災対策
、地域開発手法等の
総合的な調査研究と
情報発信を行うセンタ
ーを設立
総合的センターの設立は未定だが、環境研究のUNEPセンター(大阪、滋賀)、アジア防災センター、国際エメックスセンター、(財)地球環境戦略研究機関・IGES関西研
究センター(神戸)、流域別 の環境委員会など、各地で取り組みが進捗
 
これらの取り組みをネットワーク化し、ソフトな意味での「研究センター」の実体を形成
C.大阪湾メモリアルミュージアム 日本・アジアの歴史を核に、産業・科学・美術を展示し、文化を発信する基盤となるミュージアムを設立
なにわの海の時空館(大阪)、阪神・淡路大震災メモリアルセンター(神戸)、兵庫県立新美術館「芸術の館(仮称)」(神戸)など、ミュージアム的機能を持つものが、整備
又は計画中
 
これらをネットワーク化し、ベイエリア全体をミュージアム群として展示、文化発信を強化
d.世界機構ランド 国際的な研究機関等の集積、国際協力・ビジネス展開の拠点を形成
大阪国際会議場の完成、WHO神戸センターをはじめとするHAT神戸の諸機関、ポートアイランド・期の医療産業都市構想など、国際的な施設立地が各地で進捗
 
コンベンションビューローの活動のような、これらの集積を活かした国際交流の拡大への取り組み
アジア・太平洋地域との交流センター機能の強化に向けた広域的取り組み
e.ベイエリア都市連合によるオリンピックの開催 オリンピックを誘致、関連施設を整備
2008年オリンピックに大阪市が立候補
 
大阪市を中心として他都市でも会場を予定しており、(財)大阪オリンピック招致委員会が中心となって、ベイエリアの都市が一丸となった取り組みの展開
f.ベイエリア
エクスプレ
・大阪湾環状の高速道
路、鉄軌道の整備
明石海峡大橋供用。紀淡連絡道路の実現に向けて取り組み中
 
単に環状ネットワークのハード的整備に止まらず、関西・大阪・神戸三空港の連携化(大阪湾横断鉄道等)など、ネットワークの活かし方を含めた取り組みの推進
g.アジア・太
平洋サット
プラン
通信衛星の打上げと
通信回線の確保
グランドデザイン策定以降の情報化の進展のもとで、通信衛星を打ち上げるといった発想は見直しが必要
 
IT化の潮流のもとで、基盤面ではベイエリアを光ファイバーネット光ファイバーネットワークで結びソフト面 では、情報関連産業を育成するといった方向での展開
h.大阪湾ベ
イエリア開
発象徴記念
事業の開催
大規模プロジェクトの
完成時等に、象徴的記
念事業を開催
明石海峡大橋開通に伴う淡路花博の開催等を実施
 
大規模プロジェクトの完成にこだわらず、ベイエリアは常にどこかでイベントを開催しているといった形での取り組みの推進
 
(2)21世紀の社会潮流と都市開発をめぐる情勢変化への対応
  我が国は、1自立と支え合いの時代となる少子・高齢化社会の本格到来、2経済や社会の仕組みを根本的に変える「技術革命」ともいえる力をもつ高度情報社会、3世界と結ぶ地域づくりの時代となるグローバリゼーションとリージョナリゼーション、4サスティナブル・コミュニティの時代となる地球環境との共生、そして5活発化するボランティア・NPO活動の時代となる市民社会といった21世紀の時代潮流に対応した新しいシステムへの大胆な転換が必要とされている。
  都市の開発整備においても、1市民ニーズ、価値観の多様化、高度化、2都市施設立地選択の多様化、3土地神話の崩壊、4都市機能のライフスタイルの変化、5都市間、地域間競争の激化等に対応した都市のリノベーションが求められている。
  21世紀の時代潮流の下で、関西圏が新たなシステムへの転換に遅れをとれば、これまで以上の縮小への悪循環過程に陥ることが懸念される。グランドデザインの目標達成に向けては、今日の閉塞状況を打破し、新しいムーブメントを起こす21世紀の時代潮流への先導的実験とそれを可能とする新たな仕組みが必要とされている。
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.厳しさを増す大阪湾ベイエリア開発整備
(1)顕在化する構造的とも言える厳しい状況
  大阪湾ベイエリアは、今日の社会経済条件の大きな変化の中で、分譲の進まない新規埋立分譲地、商業・業務系施設の入居率の低迷、事業主体の第3セクターの経営不振そして土地利用転換の進捗が鈍い低未利用地を抱え、構造的ともいえる厳しい状況が顕在化している。
(2)今日の社会経済条件変化にミスマッチな従来の開発整備の枠組み
  こうした厳しい状況の原因としては、バブル経済の崩壊以降の国内経済の長期低迷の影響が深刻なこともあるが、社会経済条件が変化したことによって、これまでの開発整備の枠組みとの間にミスマッチが生じていることがあげられる。
  これまでの大阪湾ベイエリアの開発計画は、ともすればフルセット型の開発、商業業務系主体の土地利用、地価上昇を前提とした開発利益への期待、当初計画による一気型の開発整備であった。
今後人口・経済の総枠が拡大せず、需要が低下しがちな状況の中では、段階的かつ柔軟に開発整備を進めていくようなシステムに転換していかざるを得ない。

(3)求められる新たな視点と方向による開発整備
  社会経済条件が変わりつつある今、大阪湾ベイエリアについて、これまでのパラダイムを前提とした開発整備を見直し、時代の変化に対応した新たな視点と方向性を検討し、新たな取り組みを開始することが関係者共通 の喫緊の課題である。
  広大な実験の場と大きなポテンシャルを有する大阪湾ベイエリアにおいて、公民の各主体の自律的な取り組みと広域的な連携の下、新しい制度・手法を実験的かつ積極的に導入し、関西全体の持続的発展に資する新たな開発整備を推進することが、閉塞感ある大阪湾ベイエリア開発整備の突破口となる。
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.アクションを起こすための視点
 「グランドデザイン」で示された大阪湾ベイエリア開発整備の理念・目標は、今日においても生き続けている。しかしながら、今日の社会経済条件の変化の中で、大阪湾ベイエリア開発整備の現状をみると、昨今の経済情勢の影響によるものにとどまらない、極めて厳しい状況が続いている。
  社会経済条件が変わりつつある今日、大阪湾ベイエリアの開発整備はこれまでのパラダイムを前提とした開発整備の枠組みを見直すとともに、21世紀の時代潮流に対応した『創造的改革』を先導する下記の取り組みを開始していかなければならない。

(1)21世紀の時代潮流に対応した先行的取り組みを重点的に展開し、関西の構造転換を先導すること
1 社会経済活動の新たな段階的好循環過程を創出する
2 環境と調和したアメニティ豊かで安全な都市空間を形成する
3 多様で先進的な生活像を実現できる地域を創造する
4 大阪湾広域連携ネットワークを形成する
(2)需要の動向に柔軟に対応しつつ土地利用の展開を進め易くするような計画的、
事業的システムの導入
1 社会実験的発想を大胆に導入する
2 まちづくりの仕組みを柔軟なものにする
3 街の形も柔軟なものにする
4 公民のパートナーシップによるまちづくりシステムを確立する
5 基盤整備を真に街の立上げに寄与するものとする
6 戦略的な整備、重点的な投資を行うシステムを創る
(3)市民、産業界、非営利団体、行政など地域づくりに係わる多様な主体の積極的参画を促すシステムの構築
(4)大阪湾ベイエリア開発整備を推進する「整備推進体制」の強化
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.大胆な実験的取り組み(社会実験)の導入
(1)社会実験の考え方
5-1.社会実験の意義
  『社会実験』の意義としては以下の点があげられる。

1 21世紀の時代潮流への先行的実験により、新しいムーブメントを起こし、
関西圏の新たな都市機能を先導していくこと

2 ベイエリア産業の新展開など新たな市民生活の創造に向けた土地利用再編と、
新たな機能導入を阻害する要因を除去するための実験的な試みを段階的に実施し、
ベイエリアの新たな動きを起こしていくこと


5-2.『社会実験』の性格
  『社会実験』は、明確な目標の下に、期間限定で産業界・市民・行政が連携しながら、段階的に新しい試みをするものである。

5-3.社会実験の推進母体となるプラットフォームの設置
  『社会実験』に当っては、地権者への呼び掛けとベイエリア整備への市民・地域参加の促進をはじめ、以下の機能を担う『プラットフォーム』(総合的な支援体制)を設置し、促進する。

1 市民・地域参加の促進
2 社会実験プロジェクトの方針づくりと評価
3 土地の供給者と利用者のニーズのマッチング
4 社会実験実施主体の交流の場

図 社会実験の推進母体となるプラットホームの設置
社会実験の推進母体となるプラットホームの設置
 
(2)社会実験の目標
  ベイエリア開発整備に関係する多様な主体の連携により、1新たな産業と雇用の創出、2環境創造、3新時代の生活像づくり、4広域連携プロジェクトの創出を目標に、様々な実験的取り組み(社会実験)を創出・試行し、効果 の明瞭な実績をつくっていくことが必要である。
  また、明確な目標の下に期間限定、地域限定で実施される社会実験を試行するために必要な制度・仕組みも社会実験として試行するものである。
≪目 標≫ ≪社会実験プロジェクトの事例≫
新たな産業と雇用の創出
1. 国際交易機能の強化を図る「対日投資促進ゾーン」の整備
2. 大学研究機関のもつ知の交流と循環による先端産業創出を図る「産学共同実験施設」の整備
3. 簡易貸し工場の整備
4. 起業家教育や実学教育、ジョブトレーニングなど実践的教育
5. 21世紀型集客・観光産業の育成
環境創造
1. サスティナブル・コミュニティ等の新しい都市環境モデルの創出
2. 資源循環型社会の形成に向けた「リサイクル拠点と静脈物流広域ネットワークの整備」
3. 大阪湾ベイエリアの貴重な環境資源の回復・保全・創造・活用を図る“森づくり”
4. ベイエリア環境教育活動の推進
新時代の生活像づくり
1. SOHO、工房等の整備をはじめ新しいワークスタイルの創造
2. 市民と企業の交流によるものづくり、コミュニティビジネスの創造
3. 健康・スポーツボランティア・NPOによる高齢者スポーツフェスティバルの開催
広域連携プロジェクトの創出
1. 阪神高速湾岸線を活用したバス運行システムによるパブリックアクセスの整備
2. なぎさ海道の計画の推進
3. 芸術・文化活動の広域的展開
4. アジア・太平洋地域との交流センター機能の強化に向けた広域的取り組み
5. 研究所、産業拠点等の情報・交通面でのネットワーク化による広域運用
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.整備促進のための仕組みづくり
(1)仕組みづくりを考えるうえでの留意事項
  大阪湾ベイエリア開発整備推進のための仕組みづくりを考えていくに当っては、1.開発における公民の役割分担の再確認、2.キャピタルゲイン期待からの脱却、3.投資の集中化や施策の総合化に対応した仕組みづくり、4.柔軟な土地利用や実験的取り組みを許容する姿勢などが必要となる。
 
(2)実験的取り組みが先導する開発整備の仕組みイメージ
実験的取り組みが先導する開発整備の仕組みイメージ
 
(3)仕組みづくりの具体的方向
<1>公共の投資余力の低下への対応
  限られた財源のもとで効果的・重点的投資を行う「プロジェクト評価も含む重点的投資のためのシステムづくり」や開発効果 を担保に「独自の開発整備財源の確保方策づくり」を検討する必要がある。

<2>外資も含めた民間投資の喚起・呼び込み
  投資マインドの変化に応えながら、民間投資の潜在力を顕在化していく仕組みとして、「プロジェクト情報開示による投資家への参入機会の提示」、「民間投資を呼び込むためのファイナンス手法の強化」、「投資誘発・施設立地促進のための思い切ったインセンティブの提供」について検討する必要がある 。

<3>都市機能立地を進めるための施策の総合化
  大阪湾ベイエリアの開発地区において、都市整備分野の施策と併せて産業、教育、福祉分野等の施策を公民連携を前提として総合的に投入し、都市機能立地の促進を図る仕組みづくりとして「各種施策を統合したまちづくり制度の強化」や「まちづくりを統合的に進めるためのコーディネーターシステムの強化」について検討する必要がある。

<4>社会実験を含む「開発」の柔軟化
  社会実験の展開などまちづくりの初期段階を大切にしながら、タイトな全体的計画は定めずに、柔軟かつ段階的に開発を進め得る計画・事業システムとして、「計画・事業システム上での『社会実験』の許容」、「段階整備の仕組みの改善と『トリガー』の重視」、「定期借地制度の活用」、「大規模空閑地の『リザーブ』のための仕組みづくり」について検討する必要がある。

<5>大阪湾ベイエリアとしてのローカルイニシアティブの発揮
  地域がより一層の主体性を求められる時代の中で、ベイエリア全体としてローカルイニシアティブを発揮できる仕組みとして、「大阪湾ベイエリアの総合力発揮のための広域整備体制の強化」と「ベイエリア整備への広域的市民参画システムづくり」について検討する必要がある。
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.先導的取り組みの展開モデル
(1)『次世代の環境調和型まちづくり』を実証する展開モデル
  大阪湾ベイエリアにおいて、市民をはじめ多様な活動主体の参画により、遊休地を活用した豊かな森の創出や水環境の回復を行い、都市全体が緑に囲まれるような環境を形成し、さらに、自然エネルギーによる発電やごみ・下水の再利用などの循環型社会システムの構築のための実験場とし、関西圏における先導的モデルを示していく。そのため、遊休地を利用した市民エコプラント、エコ・マネーの導入、環境ボランティア・NPOによる市民公園の整備、新たな居住環境整備のためのゴミの減量 ・再資源化システムの導入、リサイクル拠点と静脈物流広域ネットワークの整備などを行う。

(2)流域の広域連携によりグリーンコリドーを形成する『なぎさ海道』の推進

  ベイエリアの水際線全体で、人と海とが豊かにふれあい、親しむことができる「なぎさ海道」構想を広域的に展開し、生活環境と新しい産業等が調和するアメニティ豊かな地域に再生していく。そのため、環境ボランティア・NPO等の活動支援やグリーンコリドーの拠点となる市民公園の整備などを行う。

(3)『新たな産業創生ゾーン』の形成に向けての展開モデル

  大阪湾ベイエリアでは、大規模な低未利用地を活用し、環境、健康・医療、情報・ソフトなどの新しい産業創生ゾーンを形成し、新たな産業創造圏域としてわが国産業をリードしていくことが必要である。そのため、戦略的産業関連起業家への『民間主導型インキュベーター』、産学共同実験施設、『産業支援センター』の整備などを行う。

(4)SOHO、工房等の整備をはじめ新しいワークスタイルの実現に向けての展開モデル

  ベイエリアにおいては、クリエーターを目指す人々や若い芸術家が活動し、次世代の都市文化を創造する場(アーバンビレッジ)となる環境づくりを行い、コミュニティビジネスやスモールビジネスの育成を図ることが必要である。そのため、『芸術家村』、『ものづくり工房』、コミュニティビジネス立ち上げ支援センター、起業家精神を育成する『ベンチャー・キッズ村』などの整備が必要である。
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.推進体制と(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構の役割強化

(1)整備推進体制の強化
<1>シンボルプロジェクトの今日的意味づけのもとでの推進
  大阪湾ベイエリアの整備推進体制の強化については、なぎさ海道等のシンボルプロジェクトへの取り組みの強化、共同的な情報発信体制の構築など、既に取り組んでいることから優先的に実現していくことが必要である。

<2>ベイエリアの共同的情報発信体制の構築
  ベイエリアからの情報発信を効果的なものとするためには、個々の施設・地区・団体からの発信だけでなく、ベイエリア全体としての共同的発信としていくことが必要である。 そのためには、機構のホームページを充実させ、なぎさ海道に関する情報のほか、ベイエリアの環境情報や開発・投資情報をデータベース化することが必要である。

<3>大阪湾臨海地域開発整備法の活用・強化
  大阪湾臨海地域開発整備法は我が国の地域立法の中でも特定のエリアを対象としている点で特色を有しており、大阪湾ベイエリアの開発整備が法律上明確に位 置付けられている意義は大きい。
  そのため、大阪湾臨海地域開発整備法における各種のインセンティブの制度について、民間主体・投資の参入を促進し得るものに強化していくことが必要である。

<4>「ベイエリアガバナンス」としての機能強化
  ベイエリア整備に関する広域的な計画調整、共同的な事業推進を図るため、国、地方公共団体、経済界・企業、市民・専門家等の各種主体が連携を強める体制づくりについての検討が必要である。
  そのためには、広域的整備に取り組む諸団体間の連携体制の強化のほか、ベイエリア整備における共通 的な規範づくりや市民・NPOの主体的な参加を促すシステムづくりが必要である。

 

(2)(財)大阪湾ベイエリア開発推進機構の役割強化
<1>広域的整備推進上の役割強化
  大阪湾臨海地域開発整備法では、大阪湾臨海地域開発整備促進協議会がベイエリア整備を連携して進めるうえで一定の役割を担っている。この促進協議会に対して機構は意見具申を行うことができるのであり、その機会を活かして各種のプロジェクト間の調整など機構が果たす役割の強化についての検討が必要である。

<2>ベイエリアに係る情報の共同的受発信窓口としての役割
  機構については、機構自体の広報機能の強化のほか、交流のプラットホームとしての役割やワンストップサービス機関としての役割を持つことについての検討が必要である。

<3>個別 プロジェクトへのコンサルティング機能の付与
  機構が個別プロジェクトに関してコンサルティング機能を発揮し、ベイエリア整備に係る人材の活用や紹介を行うなどの機能を発揮することについての検討が必要である。

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